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166 最近のカラーラマーケット |
1999年からゴールドコーストのカラーラマーケットで1ストール(1テーブル)の小さな店を持ち、セカンドハンド商品の販売を始めて9年近くになる。以前マーケットは掘り出し物の宝庫で古道具屋とか中古製品を売る店が多かった。しかし現在はうちを含めて2店舗、しかもオーディオ製品を扱っているのは私の店だけとなった。メイドインチャイナの安い品々が出回り、中古物品は売れなくなり利益が出なくなってしまったからである。それですべての店が新品を売るようになったのだが、中国製で同じ品物を売る店が続出し、オーストラリアなのにチャイナマーケットと化してしまった。そしてお互い過当競争で値段の下げ合いとなって、今ではレントすら稼げない店があちこちに出始め、ビジネスを売りに出しているストールホルダーも珍しくなくなった。 もともと中国製品は安いのが特徴だから薄利多売が目的である。ところが品物は大抵一台あれば良く、二台三台と買う必要はない。それにすべてのお客さんが欲しい訳ではないから、どんなに安くても数が売れる訳ではないのである。しかも小売価格が低いことから売り上げが延びず利益率も少ない、品物によっては売値すべてが利益となってもまだ足りない、数が売れない儲けは出ない、ないないづくしで、販売店としては非常に厳しい状況となっている。 近くに中国製で新品のゴルフ用電動バギーを売っている店がある。以前は999ドルで売っていた。ところが電子回路の故障が続発し、交換部品が手に入らないとのことで、今は179ドルで販売している。店の主人は「売れば売るほど赤字だが、在庫の処分で仕方がない」と言っている。彼からその修理の依頼を受け、分解をしてみると、ICの製品番号をわざわざ紙ヤスリで削り落としている、これでは小パーツの取替えすらも出来ない状態である。製造元としてはもう一台買わせるつもりだろうが、世の中そう甘いものではない、いくら安くても二度と買わないのが常識である。彼はコンテナ一杯(200台)を買ったのかどうかは知らないが、まだ在庫が相当数残っていると言う。チャイナリスクの結末である。仕入れ業者、買った人が損をするだけで、製造元には何の影響も及ぼさない。安物買いの銭失いと言うところである。 私は数年前から各種電気器具、オーディオ機器の修理も始めたので、中古製品は売れなくてもなんとか損はせず、店の経営は保たれている。たまにオールドスタッフの品とかオーディオ製品、特にアンプ類がバカ売れするときがあって、これらが臨時収入となる。なにぶん5ドルとか10ドルで買った、壊れた品物が、少し手を加えるだけで10倍以上に売れるのだから利益率は良い方である。 しかも修理するのが苦にならない。内部構造を知り、システムを調べ、故障の原因を見付け出すことが楽しいのである。作業中は誰も侵すことが出来ない陶酔の境地にあり、時間の経過はほとんど感じない。でもこれが毎日自宅に篭もりきりで修理のみの日々なら退屈もしようが、週に二日は必ずお客さんと接することで、世間とのコミュニケーションも保たれている。適当な刺激もあり、品物の依頼による責任感が生まれ、やる気にもなる。これが日々充実、エンジョイ出来ている理由であろう。 ところがお客さんによっては中国産が安く買えるようになったから、パーツや修理代も安くなっただろうと来る人がある。そういうお客さんには丁寧にお断りをし、新品を買うよう薦める。しかしマーケットに来るお客さんの殆どは買いたくとも買えない、金銭にゆとりのない人が多く、出来れば修理に出したいのである。ところが最近の中国製品は故障が多いくせに部品が手に入らず、壊れたが最後、ゴミ箱行きとなる。非常にもったいない資源の無駄使いだと思うが、それが今の流れだからどうすることも出来ない。 私の場合、点検は無料、修理は出来なければ代金を貰わない主義だし、頂いても世間の半額程度である。いくら修理が好きでも、それ以下にするつもりはないが、人を雇っていないし、切羽詰った生活をしている訳ではないから、これで十分やっていける。時にはお客さんから商品とか値段にケチを付けられ、その受け答えに頭がカッカして、喧嘩になってしまう場合もある、そんなことも度々あるから退屈のしない日々なのである。 私はあと一年すると、政府からペンショナー(年金生活者)としての年金が支給される。しかし老後でやること(仕事)がないほど退屈で詰まらない人生はない。日々嬉々とした生活をするには職を持つことが必要で、この仕事は最適だと思っている。もし健康なら、あと15年は続けられそうである。 今から8ヶ月前、マーケットのオフィスマネージャーと大喧嘩をしたことがあった。過去ブログ140、141に詳しく記述している。 ピーターと言う40歳過ぎバス乗降係員が、突然私の車前方で大型バンのタクシー運転手と話し合いを始め、進行を遮った。ちょうど、ガレージセールの帰り、朝の忙しい時間帯で、ストールのオープンが遅れそうになったので、思いっ切り彼に抗議をした。そうしたら彼が逆恨みからか、マーケットのマネージャーのジョンに事実と異なる報告をした。マーケットオフィスとすれば、常にストールホルダーを押さえ付けて置きたい心境だから、ストールホルダーからの抗議なんてとんでもない話である。それで、頭に来たジョンはピーターと共に、でたらめな話を作っては私に嫌がらせを始めたのだった。 ストールホルダーの車はマーケット内に駐車してはならない。朝八時前とか午後三時過ぎならばOKで、しかも荷物の積み下ろしだけに限られている。もし違反すると200ドルの罰金を払わねばならないことになっていた。 しばらくして私の車が違反時間内に駐車していたとのノーティスが入った。ジョンが書いた文書であった。私は違反をした覚えもなく、しかもその車のプレートナンバーの表示が違っていた。早速その手紙を持って事務所へ駆け込んだ。そしてジョンに思いっきり抗議をした。すると彼は手をぶるぶる震わせながら興奮した。てっきり「間違いだった」と誤ってくれるものと期待していたのに意外だった。ジョンは行く場がなくなったのだろう、余計に頭に来たらしく顔を紅潮させ、私を睨み付け怒鳴り始めた。彼はパーキンソンズ病だと聞いていたが、かなりひどい状態だった。 しばらくすると再びジョンからノーティスが届いた。今度は車の番号は一致していた。しかし時間が12時過ぎで、これも全く身に覚えはなかった。第一、マーケットが混雑する最も忙しい時間帯であり、その時期に駐車場所を見付け出すことは不可能である。そして、その時はじめて作り話だと気付いた。早速オフィスに行き、ジョンに文句を言った。彼が病気であろうがなかろうが知ったことではない。だまっていると非を認めたことになってしまう。案の定、事務所で数人の職員の前で大喧嘩となった。ジョンは以前にも増して手をブルブル震わせ激怒した。しかし私には何の落ち度もない、叱責される筋合いはないのである。私は次第に冷静になってきた。そして「これを報告したのは一体誰だ、ピーターか?」と尋ねたら、ジョンは答えなかった。 次週のマーケット日、ジョンはわざわざ私のストールまでやって来た。それにセキュリティマンのブライアンを連れていた。それで、彼が駐車するのを目撃したと言うのである。明らかに捏造であった。ジョンは私の店で物凄い形相をして、何時ものように手をブルブル振るわせながら怒り出した。でも私には疚しいところはないから冷静そのものであった。そして「それは真実ではない」と、私は近所の店にも聞こえるような大声を出して突っ撥ねると、彼らは黙って帰っていった。 さあ大変なことになってきた。次にジョンはどんな手段で私に報復してくるか分からない。その対応にと、今までの出来事すべてを書いた英文書をパソコンで作成した。ソリシター(下級弁護士)まで頼む必要はなかろうと思ったが、法的な問題に発展しても良いように準備をしたのである。もしかしたらマーケットのオーナーである資産家テリーモリスに会わねばならなくなるかも知れないと思った。彼はマーケット以外にも多くのビジネスを手掛け、商売人としてモラル、良識を持っていると思ったからである。 ところが何時まで経っても次の進展が見られない。そしてすっかり忘れていた。しかもジョン、ピーター、ブライアンの三名がマーケットで見掛けなくなってしまったのである。向かいのキャンドルショップのおばさんに確かめると、ジョンはパーキンソン病の悪化でオフィスを離れ、ピーターとブライアンもなぜかこのマーケットを辞めたそうである。「なぜか?」と聞いても「知らない」との答えだった。人を陥れようとしても、真実には絶対勝つことは出来ない、眼に見えない何らかの力が働いのである。 それにしてもジョンを含め三人はバレバレの幼稚な考えでよく私を攻撃してきたものである、バカとしか言いようがない。 ところで、以前セキュリティのブライアンは度々私の店を訪れ、電気器具修理の件でいろいろ質問をした、その時、私は気軽に教えてあげた。彼に会ったら「嘘つき」と言ってやりたかったのだが、居なくなって残念である。
テーマ:オーストラリア
- ジャンル:海外情報
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