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112 カラーラマーケット
マーケットには地元の客を始め、世界各地から観光客、それに多くはないが日本からのお客さんも来る。私の店には土産物となるような品物は置いていないから一般に観光客はやって来ない。ほとんどが地元のカスタマーである。
私の店の斜め向かいに香りに関するいろんなグッズを売っているショップがある。多種類の芳香石鹸、線香、花の香水、エキス類、小型蝋人形、雑貨類等、かなり多品目にわたって置いている。そこのオーナーのおばさんから、日本人観光客が彼女の店を訪れると、度々通訳としてお呼びがかかるのである。
以前ここで買ったが香水の名前を忘れてしまったので教えて欲しいとか、ユーカリの匂いでこの製品を探しているとか、珍しいのでは、蜂の分泌物、唾だけを採取したエキスを置いていないかとか、質問はいろいろである。
日本人は健康に関して実に知識が豊富で、どこからそんな情報を得るのか、驚く程もの知りである。一体蜂の唾エキスなんて何の特効薬となるのか? 蜂の唾などごく微量であろう、蜂蜜からその分泌物エキスだけを取り出す技術なんて本当に存在するのか? いろいろ疑問が尽きないが、そういった詳しいことを日本人客に質問すると非常に嫌な顔をされるのである。
それに彼らは英語を使って異国で買い物を楽しんでいるのである。地元日本人が通訳として、しゃしゃり出て行くことで第一にプライドが傷つく、喜んでくれるのでなく、迷惑そうな顔をし、適当にあしらった言葉使いをして、早くあっちへ行って欲しいとの見え見えの態度を取るのである。
私は通訳をやりたくて来たわけではない。隣の店のおばさんが頼むから来たのであって、何とも云えない変な雰囲気、やり切れない気持ちになることがある。昨今、世界の隅々にまで日本人が居住するようになった。それに伴い日本人による犯罪も増加、現地に住む日本人が日本人客をカモに詐欺行為をしているとも聞く。NHKの衛星放送テレビ、海外安全情報を観ていると、外国に住む日本人とか日本語を話す人物にはくれぐれも注意をするようにと報道されている。そんなこともあって在留日本人に対しては必要以上に警戒をしているのかも知れないが、心からの親切もしづらくなってきたのが現実である。
私のように地域に溶け込み一般社会の中でビジネスをしていると、日本人が店を持っているとは思わないらしく、日本人客だと分かって「いらっしゃいませ」などと話しかけると、びっくりした顔をする。異国情緒を味わいたくてショッピングに来た人ならば、日本人がこんな所までやって来て商売をしているのかと、あきれ果て、幻滅を感じてしまうのだろうか? ショックを受けた表情をされる方もある。そんな時、私はここで商売をしていることが、何か罪な事でもしているかのような気持ちになってくるのである。
そこで私は日本人に対しては中国人とか韓国人になりすまして応対をすることにした。顔つきもどちらかと言うとそちらに近いし、英語のイントネーションもそれらしくするのである。そうすると何もかも旨くいく事が分かった。
以前オーストラリアではビジネス永住ビザとかリタイヤービザとかの永住者が非常に多かった。10年前のピーク時にはこの狭いゴールドコーストに3000人以上、州都ブリスベンよりも日本人が多く住んでいた。海岸の美しさ、住宅環境や気候の良さに魅せられ、特にこの地を選んで移住してきた人が多かった。
ところが昨今、そのような方々が日本へ永久帰国するのが増えてきたのである。彼らからアンケートを取った訳ではないので真の原因は分からない。でも一般的な理由として、常に変わらない温暖な気候、それに日常生活が余りにも単純で変化がない。最初はそれに憧れて、ここに移住して来たのだが2、 3年もこの地に住めば退屈して来る。いくら釣りやゴルフが好きでも、それを毎日やっていれば必ず飽きがくる。遊びの生活、人生だけとはそう云うものである。
それかと言ってこちらの一般社会へはどうしても馴染んでいけない。それは言葉の壁の厚さと生活習慣の違いが大きすぎるからである。それで自然と日本人コミュニティが形成され、その中の一員となって活動してしまう。これではせっかく異国に住みながら、日本の生活の延長であると云わざるを得ない。
ここで日本人特有の性格を記すと、「不安定さと変化を好む、重複を嫌う、常に新しいものを追い求めるが、生活習慣は変えない」である。日本には完璧な四季があり、寒暖の差も激しく、季節毎にいろんな行事もある。しかも地震とか津波、台風に大水、突風とか竜巻、噴火山等、まさに天災大国日本、将来何が起きるか分からない少々ひやひやとした生活や人生、これらが日本人の性格には切っても切れない要素となっている。不安定要因とか常に変化を好み、それらを必要としているのであれば日本で住むのが一番である。

テーマ:オーストラリア - ジャンル:海外情報

111 IT2コース その3
年配の女性教官は各学生のワークシートや教科書の完成状況を徹底的にチェック始めた。テストにパスしていても、それらが済んでいないと合格点は貰えない。又その仕上がりを証拠としてフロッピィディスクに記録するのだが、オリジナルで、他学生のコピーは絶対許されないようになっている。
これは人によって進み具合は異なり、解答の内容も多少だが違う。終わったらチェックを受け閻魔帳に記入されるのだが、その判定基準が非常に厳しいのである。重箱の隅を突付くが如く、細かいところまで指摘して、やり直しをさせるのだ。しかもフロッピーディスクを確認しながらで、信じられない程時間がかかるのである。日数がたっぷりあれば我々としても有難いのだが、来週には重要なMSアクセスのテストも控え、その準備も必要である。
事務所からはすでにサティフィケイト3の申込書が届いていて、その締め切りが次週となっている。まだこのコースに合格してもいないのに、上級コースの申込書をし、学費を払う訳にはいかない。このまま行くと来週中も合格の判明する学生はいないだろう。くだらないコミュニケーションの科目にたっぷり時間を費やし、肝心の科目の時間数が足らなくなってきたのである。
16週目、とうとう最後の週となった。先週末に行われたMSアクセスのテストはパスした。基礎知識の出題が主で合格ラインぎりぎりだったが通ったのだ。これで四つの重要なテストは無事終了した。このIT2コースで私は一度も再テストを受けることなく本当にラッキーだった。
今週中に追試を受けねばならない数人のクラスメイツがいる。彼らが可愛そうである。担当教官はまだクラス全員のワークシートと教科書のチェック中で、彼らは両方をやり遂げねばならないからだ。皆真剣な顔をして取り組んでいる。事務所からは申込書の提出を急き立ててきた。でも彼女は何事が起ころうとも動じない態度で点検を続けているのであった。
最終日、それも午後の終了時間ぎりぎりになって、やっとすべてのチェックが済み、全員合格点を貰った。クラスメイツのほとんどが手直し作業で精魂を使い果たし、くたくたに疲れてしまって、上級コースへの進学など、もうどうでも良い気分となった。その日に手続きを済ました者は誰一人もいなかった。
私は迷っていた。ITコースはせめてサティフィケイト3までは進みたいと思っていた。マーケットは土、日だけの営業で、今はそんなに忙しくないから、このまま継続するのが一番である。しかし今まで通学してみて、かなりハードなことが分かった。宿題も多くそれをこなしていく時間、その努力が大変だった。仕事を持っていないとか、又若くてこれからこの方面で就職先を探すのであれば別だが、とにかく次のセミスターは受講しないことに決めた。なによりも1300ドルもの受講料は出したくなかったからである。
級友アマは「ケンジはどうするのか?」と尋ねた。私は「次のセミスターは受講しない。しばらく休憩し、もしかしたら2年後、六十才の還暦記念に再入学するかも知れない」と答えた。
その一週間後、左脇下から腰にかけての皮膚が急に痛くなり出した。ぶつぶつが出て、それに触れるとヤケドをしたようにぴりぴりと痛むのである。虫さされか、それとも何かにかぶれたのかなと思ったが、全く心当たりがない。それが日々ひどくなってきたので医者へ行くことにした。
シングルス(帯状疱疹)であった。この国では伝染病の一種に指定されているのだろうか? 医者はどこかへ電話報告していた。そしてその感染源を詳しく問うた。私は「もしかしたら学校で感染したのかも知れない?」と、答えた。人に聞くと、帯状疱疹は強いストレスによっても起きるという。それなら思い当たる。学校の授業で終盤になってから、今までにない程の緊張感を覚え、大きなストレスとなったのである。
続けて上級コースを受講しなくて良かった。やはり寄る年並みには勝てないと言うところか?

テーマ:オーストラリア - ジャンル:海外情報

110 IT2 コース その2
MSエクセルの授業で記入欄を暗算でやり書き入れたら、それが教官に見付かって厳重注意された。簡単な計算でも必ずフォーミュラ(基本計算式)を使用しなくてはならないのだ。もしその基本式を省略したなら、左上部の表示窓が空欄となって、一目瞭然に未使用の証拠となるのである。
10週目の終わりにエクセルのテストがあった。基本問題がほとんどで難なくパスをした。これもチャプター1から5まで、その後はサティフィケイト3へと引き継がれていく。次の週からM Sアクセスの授業が始まる。これは今までに、私がパソコンでは使ったことのないプログラムで、聞くところによるとかなりハードな授業らしい。このIT2コースは合計16週あり、すでに半分以上が終った。このあと何のトラブルもなく無事に終了出来ることを祈る。
廊下で椅子に座って、教室の空くのを待っていると、珍しいことに、日本人らしい顔立ちをした若者が通り過ぎた。アジア系の人も日本人と顔が似ているから、ちょっと見ただけでは見分けが付けにくい。だが、どことなく、表情や雰囲気が違うものである。最近になってやっとその識別が出来るようになった。
彼はやはり日本人だった。年齢は二十四、五才だろう。私と同じ時期に入学し、サティフィケイト2を飛び越して3から始めていた。知らなかったが、そういうことも出来たのである。彼は、「ワークシートやテストが合格点に達せず、このままだと卒業出来ないので、もう一度3を受講するつもりだ」と言う。「どうして2から始めなかったのか?」と聞くと、何も云わずに笑っていた。
そう云えば、私のクラスメイツにサティフィケイト2を飛び越し3を受講したがギブアップ、2のクラスに再入学して来た30才過ぎのオーストラリア人がいる。彼が言うには、「ワードやエクセル、アクセスを途中のチャプターから始めたので、ほとんど理解出来ず作業不能になった」とのことであった。
ワークシートや教科書はチャプター1から順序よく進むように作られているので、途中からだと非常に難しくなってしまうのだ。彼は「このコースの授業料は少し割引をして貰ったが、随分無駄なお金を使ってしまった」と嘆いていた。
日本人の彼も全く同じことで悩んでいたのだ。誰でも、ある程度パソコンを使いこなせるようになると、過信が出て上級からスタートしたくなるものである。このITの初歩、サティフィケイト2でも科目によっては英語圏の学生でさえ苦労しているのに、日本人ならなおさらで、彼はいくら英語が出来たとしても、言語によるハンディキャップは大きい。
「もう一度1300ドルも払って受講するの、高くつくなあ」と云うと、「親が出すから良い」と云って笑った。彼は真面目そうな良い青年で、ヤル気があるから、次回はきっとパスするだろう。私は「次、頑張ってね」と言い、「マーケットへ来たら是非寄って下さい」とストールの場所を教えた。
14週目に入った。いよいよ当コースも終りに近づいた。クラスの人数は8人となった。おばさんクラスメイツのジャンが突然教室に来なくなった。その理由はわからない。親友のアマに聞くとMSワードの二度目のテストにパス出来ず、非常にショックを受けていたと言う。それが原因かどうか知らないが、このTAFEカレッジでは、今までに度々見掛けた光景である。今度クラスへ来たら、諦めずに最後まで頑張るよう励ましてやろう。
年を取るとヤル気と記憶力の低下は避けられない。これは生活にゆとりが生まれ、ハングリー精神が喪失していくからであろう。ガツガツしなくても暮らせるし、無理に記憶しなくても過ごせる。するとさらに記憶力が低下していくのである。
私は彼女に比べたら、英語によるハンディキャップは大きい。しかし学習は言語力だけではない。重要なのはヤル気で、いかにその気持ちを長く持続させるかである。私は駄目でもともとの主義で、この国への永住もいろんな体験を積むのが目的であった。毎日すること、なすことがチャレンジだと思っているから、何をしても新鮮で苦にならず、いつまでもヤル気満々の気持ちを持ち続けることが出来る。

テーマ:オーストラリア - ジャンル:海外情報

109 IT2コース その1
IT2コースは6週目に入った。先週でMSワードが終了した。チャプター1から5までがサティフィケイト2の範囲で、6以降は上級のIT 3コースへとつながって行く。ラッキーというか、ワードの重要なテストも、ぎりぎりだったがパスをした。爽快な気分で新しい週が始まった。今週からM Sエクセルがスタートする。帳簿の記入の仕方、計算方法等を学ぶのである。
例のコミュニケーションのクラスはまだ5週も残っていた。これはどう考えても中学生低学年の授業である。どうしてこんな科目を重要視しているのか、全く分からない。このような時間があるなら、コンピューター内部のハードウエアーとかオペレイションシステムについて学びたい。
ハードウエアーの担当教官はスペイン系オーストラリア人でフレッドと言う。年齢は45才位だろう。彼の奥さんも他のITコースで教えている。以前電気科コースのコミュニケーションで同じ科目を教えているカップルがいた。この学校では夫婦共働きを推薦しているのか良く見かける。
今週からコンピューターハードウエアーでメインテナンスの授業が加わった。先ずマウス、安いので新品を買っても良いが、簡単な掃除の仕方である。裏のフタを外し、ゴム製のボールを取り出すと、3箇所のローラー部分が現れる。ここは常にボールに接しているため、ボールで拾ったゴミが付きやすい。回転しているので、それがどんどん付着して来るのである。ピンセットか先の尖ったものでゴミを落とし、ボールと共にアルコールで拭いてやる。そうすると新品の時と同じように矢印の動作がスムーズとなる。
昨今、いろんな種類のマウスが売られている。ボールのないLED(ランプ)式、ケーブルの要らないワイヤレス式、でも便利な製品ほど故障が多い。ワイヤレス式など電池がすぐになくなったり、しょっちゅうトラブルがあるので、私は使うのを止めた。LED式も時々矢印がとんでもない方向へ飛んでしまったりする。シンプルイズベストで、時々ゴミの掃除が必要だが、古いボールタイプが一番である。
次にキーボードのクリーニングだが、掃除機でブラシ付の吸い口を使って、吸引しながらペンキ用のハケでボタンの間を掃くとゴミが中から出てくる。あとはメタノールで拭き取ると、ほとんどのよごれがなくなる。時間はかかるが各ボタンをすべて取り外し、掃除機をかけても良い。学校ではそのようにやっている学生もいた。
重要なのはCPUタワー内部である。ファンを高速回転させ、空気の流れを作って、CPUチップや電源部を冷やしているから、細かいほこりが付きやすい場所である。ここの掃除はなにも専門家でなくても自分で出来る。先ずタワー後部にあるカバー取り付けネジを外す。掃除機にとがった吸い口を装着し、注意深くマザーボードやカード類、ハードディスクをそっと刷毛で掃きながら吸い取っていく。あとはアルコールで拭けば良い。
教官フレッドはファン、CPUチップ、メモリーをすべてソケットから取り外して掃除をした。そうすると接点間のほこりが取れ、通電が良くなって、故障の原因となりにくいのである。これはかなりテクニックのいる作業で、そこまでする必要はないが、コンピューターも時々メインテナンスをしてやればいつまでも調子良く働いてくれる。
次の授業ではスライドを使い、ディスククリーンやデフラグの基礎知識を解説して、その方法等を教え、それにファイルのバックアップの仕方を学んだ。
この科目はベーシックな勉強ばかりで、テストはなく数冊のコピーを渡され、そこに質問事項があって、正解を書き入れ提出することで採点された。まったく緊張感がなく、教官フレッドもリラックスして教えていた。

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108 電話会社 その4
テレマーケティングの訓練された苦情担当係には、歯がたたないと思いながらも、何度か電話をかけた。だが、その時は間違いを認めても、送られてきた請求書はオーバーチャージされたものばかりだった。掃っても、掃っても、顔にとまり来るハエのようなものである。
電話は日常生活に欠かせない。悔しいが諦めて支払いを続けるより方法がなかった。「電話の契約をキャンセルする事態には、決してならない」との会社側の読みに屈してしまったのである。
但し私は、カレンダーの記載と照合して、こちらが認めた料金だけ、すなわち相手の番号と時間を詳しく書いた手紙、それに該当する金額の小切手を添えて直接本社へ送りつけた。支払いを拒否しているのではなく、誠意を持って払っていることを見せるためである。こうしておけば、もし裁判になった場合でもこちらが有利となる。悔しさからの小さな抵抗であった。
抗議を始めたのが2002年6月、次月分は正常で、再び8月からやり出したから、それ以来ずっとこの方法で払っていった。するとオーバーチャージ分だけが未払いとして残り、次月の請求書へと加算されていった。慣れてくると不思議なもので、毎回どれだけオーバーチャージされているのか、見るのが楽しくなってきた。同時にインターネット接続回数も二日に一回と減らした。
ある人は消費者生活センターに苦情を言ったら、即刻会社側がオーバーチャージを取り消したという。又オムバッズマンに直訴すれば良いと言う人もいた。前々からオムバッズマンのことは聞いていた。しかし評判が良くないのである。調停どころか、常に相手側、強い方の味方だと聞いていたからである。みなそうではないと思うが、いずれにしても、仲介者を通すということは、手間と時間のかかる作業で、あまり乗り気はしなかった。
そうこうして、2004年3月がきて、二年近く経った。前ブログでも述べたが、セカンドハンドディーラーズライセンス登録料の異常な値上げがあって、当局(フェアートレイディングソサエティ)へ抗議の手紙を書いたとき、このテルストラの一件にも触れ、「フェアーでないから、貴方の事務所から抗議をして欲しい」と願い出た。すると、そこからテレコミュニケーションオムバッズマンの住所が知らせて来て、再チャレンジすることにしたのである。
今までのテルストラとの経緯を手紙で詳しく述べ、明細書のコピーを添えて、こちらが認めた料金だけは、払い続けていることを伝えた。すぐに返事が届いた。そして、「手紙を受け取り、即刻テルストラへ伝えた。そちらへ当社から何らかの連絡がある。もし来ない場合には、もう一度こちらへ知らせてほしい」とあった。
テルストラからも手紙が届いた。発信元はビクトリア州バララット、発信人はピータージョーンズ、肩書きはテルストラ消費者販売促進課ディレクターとなっている。ここが悪の根源、テルストラでオーバーチャージを推進している中核である。やっと辿り付いた。次から苦情があれば、この住所、この人物宛に直接手紙を出せばよいのである。
手紙には「今まで加算されたオーバーチャージ料金は、すべて取り消す」との内容だった。今までの努力が実ったのである。それにしてもオムバッズマンのパワーはたいしたものだと感心した。そしてテレストラはもう二度と私に対してオーバーチャージはしないだろうと思った。
単純な質問だが、「なぜテレコミュニケ−ションオムバッズマンなんて人物が要るのだろうか?」である。日本でも、今までに聞いたことがなかった。この国では、彼らを必要とする程、それらのトラブルが多いからである。
前にも述べたが、以前はテレコムオーストラリアと呼ばれていた。そのころ1コールのことを1ユニットと云った。当時そのユニットという意味がなかなか分からなかった。電話をあまり使っていないのに、ユニット数が異常に多かった記憶がある。考えてみれば、その頃からオーバーチャージは続けられていたのである。小額だったし、国が経営管理していることで、信頼しきっていた。苦情なんて云うのは、もってのほかだったのである。
さて次月の請求書は、一体どのようになっていたかである。云うまでもない事、「顔にとまりくるハエである」 私はもうオムバッズマンに苦情を云う気力さえなくしてしまった。彼らも、最初からそれが分かっていたようにも思える。

テーマ:オーストラリア - ジャンル:海外情報

107 電話会社 その3
私のインターネットアクセスは毎日一回か二回である。同じ日なのに6回とか15回の時もある。それも間隔が一分後、二分後、五分後と非常に短く、頻繁に切断と、コネクトが行われているのである。これではインターネットを接続状態に保つことすら不可能となる。しかもコンピュータースクリーンにはその時間に切断中とのメッセージは一切出なかった。切断された状態なのにアクセスを続けていた不思議な状態である。
通常の電話もコンピューターで管理されているから、顧客の記録は電話会社に残っていて、すぐに取り出せる。そのデータを元にして、この明細書は人間の手により、後から追加記入をした、いわゆる改ざん捏造明細書以外の何物でもないと云う確信を持ったのである。
早速テレストラへ電話を入れた。お互い明細書を見ながらの話し合いとなった。「それはインターネットプロバイザーの責任で、そちらへ苦情を言って欲しい」と逃げた。「プロバイザーに聞いたら、テルストラが原因だというから電話した」と、私は嘘を付いた。「それならコンピューターの故障だと思うから、テクニシャンに相談して欲しい」ときた。「私はコンピューターのテクニッシャンである」と云うと、急に相手の態度が変った。
そしてもう一度、明細書を見るように言って、「そちらが指摘した部分は全部取り消すから、それを引いた金額だけ支払えば良い」と言い出した。まだ苦情の云いたい箇所はあったが、この抗議で確かに効き目があった。次から私には絶対オーバーチャージはしないだろうと思い、OKと云って電話を切った。
次の月は何の問題もなかった。カレンダーの記録は続けていて、それと正確に一致していた。以前の抗議で、もう二度とオーバーチャージをしないだろうと安心していたその矢先、その次の月、ローカルコールが異常に回数の多いことに気が付いた。さては又やり出したなと思い、早速明細書の送付を頼んだら、今度は手数料が5ドル50セントいると言うのだった。しかたなく取り寄せて比較してみると、以前と全く同じパターンで、インターネットだけが、短間隔に切断したり、コネクトしたりを繰り返していた。この明細書の手数料にしてもおかしな話である。そちらが間違った請求書を発行し、それを確かめるためであり、こちらには何の落ち度もないのである。
以前マーケットでオーバーチャージの件で数人のストールホルダーに聞き回ったことがあった。その時、空きストールで婦人衣料を売っている女性に出会った。偶然にも彼女はつい最近までテレホンサービスの仕事をしていたと言う。それもテルストラの顧客から、苦情を受け答えする係りの一人で、毎日たくさんの電話を聞き、一日で3000件以上にも達したことがあったそうだ。彼女は非常にきつい感じのするおばさんだった。
この職業のことを、テレマーケティングという。日本でのテレホンセンターである。大勢の人を雇って一箇所に集め、そばに電話とコンピューターを置いて、数社から委託を受けて、顧客専門に電話のサービスを行う下請け業者である。
依頼した会社は、電話によるすべてのサービス業務を扱ってくれるから非常に便利だが、そのかわり、情報提供とその他に職業上の説明もせねばならない。個人情報を伝えることはもちろん、顧客との受け答え、対応、サービス全般の方法を教えるのである。
自宅に居ると頻繁にドネイションとか勧誘の電話がかかってくる。インド人アクセントの強力な人が多く、どうもテレマーケティングチェーンの経営者がその系統かも知れないのだが、非常に厚かましく、しつこいので困っている。彼らは私達の個人情報のすべてを手にしているようである。
昨今、問い合わせとかで電話会社やインフラ会社、プロバイザーに電話をすると、必ず住所、氏名、生年月日を聞かれる。その確認にパスしないと、話しは聞いてもらえないシステムになっている。この国には個人情報保護法という法律があるのか、ないのかは知らないが、私たちの個人情報がこれらの会社を通じて漏れていることだけは確かである。
もっとも私が移民として、この国に入国した時点で、政府より番号を付けられているのだ。日本で問題となった国民総背番号制で、私のすべての情報と財産まで政府によって完全に把握されているのである。

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106 電話会社 その2
マーケットでもストールホルダー数人に聞いてみた。ある人はオーバーチャージを見付け電話で抗議したが全く取り合ってくれなかったと言う。又はそれを知りながら苦情を言うのが面倒だと諦めている人もいた。たいていの人は少しぐらいのオーバーチャージだと黙認しているようだ。それはモービルフォ−ンなら詳しく通話記録は残るが、通常の電話機では証拠となる記録が、手に入りにくいからである。この件については後で詳しく述べる。
これは新参入のオプタスだけでなく、以前からテルストラにもそのようなトラブルは数々あった。カレントアフェアーというテレビ番組がある。時事問題等で時間帯も良く視聴率抜群の放送である。その番組で、使ってもないのに国際通話で数千ドルの請求が来たとか、国内コールなのに数百ドルのオーバーチャージをされたとかの苦情を放映されていた。それらは請求書の計算間違いだったのか、それともワザとだったのか、その後どうなったかは、放送されなかったので知らないが、良く耳にしていた。
放送番組で取り上げられた場合、又は苦情を言って来る人達には、それなりの対応(正常な計算書の再発行、又は取り消しとか)をしていたのだと思う。この国には面倒臭いのを嫌がる人が多いから、そのまま額面通りに支払っている人も多かったことだろう。会社はそれが狙いで計略的にそうしたオーバーチャージを繰り返していたのかも知れないのだ。
私のインターネットによるオーバーチャージはオプタスに換わっても続いていた。それはここもローカルコールだけはテルストラを通してくるからである。オプタスとしてもテルストラがオーバーチャージをしてくれば自動的に料金アップにつながり大歓迎である。こうなったら、一刻も早くオプタスを脱け出してテルストラに戻り、元凶に抗議のメスを入れねばならない。相手にとって不足はない、チャレンジ精神がぞくぞくと体中から涌いてきた。
IT2コースで年配の女性教師に相談したところ、オーバーチャージに付いては一般の人と同じで、(要するに面倒臭いから)まったく関心はなかったが、私が手紙を書いてきたら、添削をしてあげると親切に言ってくれた。
三ヶ月後、やっとオプタスから元巣のテルストラへと戻った。私が庭で雑草取りをしていると、若い女性が勧誘にやって来て、その場で移る手続きをした。その後再三オプタスから電話があって、何故やめたのかとしつこく聞かれたが無視をした。両社は引継ぎの事で何らかのトラブルがあった様子だった。
後日オプタスから支払い料金が残っているとの請求書が届いた。私は済んでいると思って数ヶ月間そのままにしていた。そしたら督促状が来てペナルティだからと、倍額の請求金額になっていた。やっぱり問題ある会社のようだった。
さてテルストラを相手にどのような戦略を取るかである。それには先ずこちらの記録が必要である。インターネットにアクセスするたびに、その番号、接続と切断した時間をカレンダーに書き込んだ。通常の電話も詳細に記入した。「こんな面倒臭いことをする人間は、世界中で誰一人」と思った。チャレンジ精神から出た行動である。
一ヵ月後テルストラからステイトメントが届いた。この請求書にローカルコールだけは使用した回数しか記載されていない。それで詳しい内容が知りたいから明細書を送って欲しいと電話をした。しばらくして届き、カレンダーの記録との照合作業が始まった。
明細書には日付、時間、先方の電話番号、それに料金が詳しく書かれている。カレンダーの記録と照らし合わせると、通常の電話の方はピッタリ合っていて、何の間違いも発見出来なかった。だがインターネットの使用回数が異常に多いことがわかった。
この時より、私と大会社テルストラとの長い、長い、戦いが始まったのである。

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105 電話会社 その1
店長に事情を告げると、商談用のテーブルに案内された。電話が置いてあり、そこから店長直々にビッグポンドへ連絡を取ってくれた。ところがなかなか相手が出て来ない、「同じ系列の会社なのに、何をもたもたしているのだ」と思った。彼は「つながるまで時間がかかりそうだよ」と、私に目で合図をしながら電話機を片手に待っていた。
昨今、大組織の会社に電話をかけると留守番電話のようなアンサーリングフォーンに切り替わって、請求書の問い合わせは1番とか、一般業務は2番とか、用件によって、次に押す番号を指定し、そのあと長い間待たされる。相手は機械の音声だし、まったく味気ないシステムに変わってしまった。
近年、あらゆる機器がハイテクニック化され、いろんな意味で便利になった。でも相手側との距離がどんどん開いて行く気がする。面前に大きなカーテンが降ろされ、他と完全に遮断された状態、コミュニティ全体が不親切で冷たく感じるようになった。
電話も先方の態度が一方的で、サービス面は急激に低下し、そして以前よりもずっと手間や時間がかかるようになった。受ける側は好都合かも知れないが、する方としては全くやりきれない。本当に不便になったものである。何時からこんな世の中になってしまったのだろう。本来電話の目的はテレフォンコミュニケーション、対話が最重要ではなかったのか。
20分後やっと電話が通じた。事情を話し、「入会手続きをしたテルストラの店長からだ!」と伝えたその日から、二度とインターネットが途中で切れることはなかった。やっぱり、そうだったのである。ビッグポンドは、インターネットアクセス中はテルストラが電話料金を得ることが出来ない。それで時間が来ると切れるように設定し、業務協力していたのである。同系列の会社だったから仕方がないとは思うが、そして苦情を云う客にだけ、その設定を解除していたようだ。周囲に確かめてみたら、やはり同じ問題で悩んでいる人がいた。
それ以来、私はプロバイザーの移り換えを始めた。いわゆる他社へのはしごである。当然アドレスも変わるが、そのつどメールの相手に通知すれば良い。これはプロバイザーによってコンピューターの設定方法が異なり、そのセッティングの仕方を知る上でも必要であった。各社が値下げ競争激化の最中、契約期間も短かったので、丁度良い機会となった。
ワンテルワンネットから始まってビッグポンドへ移った。次はオースターネットへ移転し、続いてプライモスへ換えた。それからオプタスへ移転して、最後にディジプラスで落ち着いた。これでほぼ各社の設定方法がマスター出来、大きな自信となった。将来これが、私のパソコンサービス業で非常に役に立ち、生活の糧となっていった。
同時に一抹のテルストラへの不信から、電話会社も換えることにした。プライモスは他と比べ、小さな会社だが、ラインレンタル(基本料金)が安かったので入った。しばらくして、請求書が送られてきた。インターネットはローカルコールだと前に述べたが、その回数が異常に多いのに気が付いた。内容を詳しく確かめたいので明細書を送って欲しいと電話したら、「手数料が4ドル50セントだ」と言う。おかしな請求だと思ったが、それでも良いからと頼んだ。
送られてきた明細書をみると時間ごと、頻繁にインターネットの接続が行われていた。早速会社に電話すると、「我社はローカルコールのみ管轄外で、必ずテルストラを通すことになっている。テルストラから送られてきた請求書に、数セント、当社のコミッションを追加して、そちらへ請求するのだ」と不満げに言った。「それでは何のためにラインレンタルを取るのか?」と聞いたら、「そのような契約になっているからだ」と答えた。そう云えば請求書を送られて来るのが遅すぎる。一ヶ月以上もかかっているのである。もうこうなったら、どうすることも出来ない、諦めざるを得ないのだった。
その数ヵ月後、電話会社をオプタスへ換えることにした。たまたま勧誘の電話があって、OKと云っただけである。この国では、その手続きはすごく簡単で、電話で同意するだけで自動的に前者がキャンセルとなり、番号もそのまま移動される。本当に便利な制度となっている。
ところが、この会社は、聞くところによると、他のどの電話業者よりも悪質な請求をして有名なことが分かってきたのである。

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